momiji|雑貨・ガーデニングツール ・ 園芸用品 モミジ 

momijiは札幌のミニ大通で世界中のセレクト雑貨とフローリストツールとガーデニング用品を取り扱うショップです。

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花森momiji

自分の店をつくろうと決めた際、テナント周辺のリサーチはしなかったクセに(しておけばよかった!)一丁前にイメージしたのが雑誌「暮しの手帖」を読んでいるような方に気に入られる店になれたらいいなぁという漠然としたターゲット設定でした。

そしてつくりはじめたのがイギリス郊外の女性ガーデナーの作業部屋(風の店)であり、そこで意識していたのは「暮しの手帖」初代編集長であり作家でもある「花森安治さん」ならどうつくるか・どう塗るか・どう配置するかというイメージでした。

それらが実現できたのかどうか、ご来店時にそっとご判断いただければと思います。

たまに眺めては「へー」とか「ほー」とか未だにつぶやいている本です。(当店では販売しておりません)

花森安治のデザイン(暮しの手帖社)

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ヘタウマのすすめ

使い古した感じにつくったウッドブロックです。

建築やエクステリアでよく使われる木材を使い、「エイジング」という加工をしてヘタウマ風に仕上げました。鉢の下に隙間を作る台(ポットフィート)だったり、鍋敷きだったりコースターや積木、オブジェなどなど、持つ方がそれぞれに使い古していただければと思います。そんなものをいくつか来週から開催のみどり展で並べています。

ところで「ヘタウマ」。

実は造園の世界でヘタウマの需要は結構多く、庭づくりではフェンスや物置などの木工からレンガ積みなどにもこの「ヘタウマ」を望むお客さんが増えているように思います。

しかし、オーナー側のヘタウマ要望に対して、つくり手による「ヘタ」感がなかなか表現できない「すれ違い」が多く発生しているのも事実。日本の職人が得意とする「引き渡しの際すでに庭が何十年も経過したような日本庭園の趣き」とは似ているようでちょっと違う感覚なんですが、ヘタウマリクエストとは「南フランスの田舎にありそうな、よく手入れされた農家の庭」や「イギリスのお父さんが愛情込めてつくり、メンテナンスを数年続けた感じ」というイメージだったりします。特にバックヤードやパティオなどあまりオープンにせず「部屋」として使うような庭にヘタウマを望まれる方が多く、その感覚をご存知ということは「通」なオーナーさんだったりします。

ヘタウマ技術について、たまに相談を受けることがあるものの専門的すぎてここに書くような内容ではないのですが、やっぱり大事なのは知らない庭を見る事。

プロアマ問わず、いえ素人のお父さんんが見よう見まねでつくった「ヘタヘタ」の庭だって勉強になります。もちろんプロとして大事なのは「ウマ」の部分であり、基礎も含めて確実な「ウマ」施工の上に薄っすら「ヘタ」で表面を仕上げるのがプロの仕事です。

ヘタウマリクエストをされる側にもご理解いただきたいのですが、日本の職人は安全で安定したものをキレイにつくるよう骨の髄まで叩きこまれており、「ヘタ」感を出す一歩がなかなか踏み込めないもの。ですがやはりプロであれば従来の「ウマ」な部分と「ヘタ」センスを併せ持つことができれば造園のバリエーションもまた増えるのです。

日本の造園職人の腕はピカイチだと思いますがそこに甘んじていてはいけませんなと思いつつ、みどり展に出すヘタウマ作品は若干「失敗の言い訳」が混じっていたりしますので、そこはどうか野の花を見るような優しい眼差しでご了承ください。

 

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鳥みたいな粒のはなし

最近、道路や玄関など至る所で見かける小さな鳥型の粒は何ですか?

こういう質問をここ連日いただいています。

粒はミニ大通沿いの歩道や交差点に沢山落ちていて、靴の裏にひっついたまま知らずに持ち帰ってしまい、玄関やなぜかリビングにも落ちていたりするそうです。モチロン当店の中にも連れてこられたこの粒が沢山落ちていて、毎朝の掃除で無心に吸い込みます。

粒の大きさは5㎜程度。見た目はカモメや紙飛行機にも似ています。映画「千と千尋の神隠し」に出てくる人型の紙きれみたいだとおっしゃる方もいましたが、この粒に呪いなどは掛けられていません。

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これ、実は樹木シラカバのカケラ。そして種子ではありません。

果鱗(かりん)といい、シラカバの枝に見える細長い実(果穂)が熟して、そこから飛び散った種子セットの一部なのです。

とても小さなシラカバの種子は見た目が蝶の形に似ていて、種子マニアのウケもなかなかいい面白い種子です。その種子は通常3つが1セットとなって飛散するんですが、その時にセットをまとめている梱包材のようなものがこの果鱗です。

シラカバに限らず多くの植物は種子を自分から離して発芽させたいと考えます。最低でも自分(親木)の木陰の外へ。その時にシラカバが考えだしたのが風を利用して効率よく沢山の種子を飛ばすためのシステム、そのパーツが羽ばたく鳥のような形になりました。ちょっとしたオシャレ心なのでしょう、花粉だけにとどまらずシラカバもなかなかやりますね。

シラカバの種子セット、飛行した後で分離して役目を終えた果鱗が吹き溜まりや道路に集まり、皆さまのステキな靴によって玄関やこの店にやってくるのです。

果鱗は残念ながら発芽しません。もちろん千と千尋の神隠しにも出てきません。掃除が面倒なだけですがどうぞご安心ください。

続ハサミのメンテナンス

先日の続き、剪定バサミのメンテナンスなんですが、早速のご質問・ご相談などいただき、ありがとうございます。ここを見てくださっている方が何人かいらっしゃるんだなぁ、でもハサミをくれた植木屋のオジサンだけは見ていないといいなぁと感慨深めに思いつつ、続きを書いてみます。

最低限のサビを落とした剪定バサミ、次は刃を研ぎます。

量産された一般的な剪定鋏には刃先、小刃という部分に角度が付けられています。メーカーや種類にもよりますが、剪定バサミの場合はこの角度が大よそ20~25度。

鋭い角度ほど良く切れますが、結果として刃先の強度が落ちて刃こぼれしやすくなります。逆に角度が30度、40度と大きくなると強度はありますが刃先が枝などに喰い込みにくく、切れ味の悪いハサミになります。本来は固い枝を切るための剪定バサミ、切れ味と強度の両面からこの20~25度という角度で設定されているのです。

小端の角度をなんとなく覚え、砥石で刃付けしていきます。今回はガリガリに砥いで再刃付けしないといけないので水に浸して使う湿式の砥石を使います。当店でも販売している携帯用のダイヤモンドシャープナーは乾式で水に浸さなくてもそのまま使える気軽なもので、普段のメンテナンスにはそちらで充分です。

水分を含ませた砥石で荒砥ぎ。小刃のある表面だけを研いで刃こぼれを消していきます。砥ぐのは1面、刃表だけです。荒砥の次は仕上げ砥ぎで刃付けします。(砥石:粗砥ぎ#250、仕上げ#1000)

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砥ぎ終わると刃裏に「かえし」と言われるバリができるので、仕上げ用の砥石で軽くバリを削り取ります。バリ取りはダイヤモンドシャープナーで軽くなぞるだけでも大丈夫です。

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わかりにくいのですが、湾曲した刃先に約25度程度の刃付けをしました。これで砥ぎ終了。

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色褪せたハンドルを好きなグリーンに塗り、組み立てて完成なのですが・・・

実は難しいのが組立の際のネジの締め方。締め過ぎも緩すぎてもダメです。元々のハサミの感触を思い出しながら調整しつつ締めるというより、感触と目視で調整していきます。ネジと刃の間には隙間を作らず、擦り合わせる刃と刃の間にだけ「ごく僅かな」隙間を作ります。

最後に油をさして完成です。

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と、ここまで書きましたが、ちょっと難しく思われるかもしれません。ですが、これまでのメンテナンスは中級者やプロ向けの方法とも限りません。

もちろん適当にやってしまうと大事なハサミを無駄にする場合もあるので自信がない方は購入店やメーカー対応を勧めますが、自分でできるメンテナンス方法を覚えておく事で道具が長く使え、愛着も増します。文字や写真では伝えきれないことも多いので、もしご興味ありましたらいつでもご来店ください。

最後にひとつ。

意外と知らない方がいたり、たまにプロでも忘れている時があるようですが、剪定鋏は通常、利き手側に刃が付いています。右利き用ハサミの場合、剪定や生け花などで「切り残す」方はハサミの右側、「切り捨てる」方は左側が基本です(左利き用はその逆。花鋏など両刃の場合はどちらでも大丈夫です)。

 

ボロいのはどっちだ

知り合いの植木屋さんからいただいた、いえ、救ってあげたと思うハサミです。

物置の奥の隅の下から出てきたようで、もう捨てようと思ったところに「あ!」と小さな道具屋を思い出し、ありがたいことに厚かましく持ってきてくれました。

「こんなボロ、どうにもならんべ(北海道弁)」

「いや、あんたよりはマシだな」

とは言わないようにしましたが、もう使わないというので譲ってもらい、現役に蘇らせてみようと思います。

刻印などはありませんが、この形状や部品はたしか国内大手刃物メーカーの旧モデル。小ぶりで軽くて気軽に使える剪定バサミとして人気でして、やや硬めの刃は頻繁に砥がなくても比較的長く使えるハサミです。

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全てが錆びて褪せて刃こぼれもしているものの、部品もそのままになんとかなりそう。

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まずは分解します。日本のハサミはシンプルで分解がとても楽。とはいえ刃物なので革手袋をするなり、扱いは要注意です。

ハマグリ刃にも受けるカマ刃もネジもバネもことごとくサビています。

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サビを取りましょう。

ちゃんとした剪定バサミはスコップなどの鉄鋼製品と違って特殊な刃物鋼でできています。粗めのサンドペーパーやスチールタワシなどでは余計な傷をつけてしまい、耐久面での問題がでてしまう為にサビ落とし用の研磨剤を使います。(サビ落とし用はホームセンターでも販売されていますが、家庭用クレンザーも使えます。ちなみに歯磨き粉は粒子が細かすぎてさび落としには向かない気がします)

錆びた部分に研磨剤を少量つけ、ワインのコルク栓で円を描くようにこすっていきます。ちなみに道産ワインのコルク栓がいいんじゃないでしょうか。辛口の冷えた白なんか特にいいですね。

コツはハサミをテーブルなどに押さえるように固定して、コルク栓だけを動かします。力を入れすぎたり刃を手に持って作業するのはとても危険です。貴金属を磨くように滑らかに研磨するというイメージでサビを落とします。

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30分程でこの程度までサビを落としました。研磨剤や水分をよく拭き取ります。

【次回「研ぎ」。についてはまた今度】

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辞令とドングリ

今年はドングリが豊作らしく、ここミニ大通のミズナラも沢山のドングリを落としてくれた秋でした。山の熊も歓喜したことでしょう。山の中でドングリをお腹いっぱい食べ、安心して冬に備えてほしいもんです。

ドングリはブナ科植物の実なんですが、結実したということは花が咲いたということ。札幌近郊では5月頃に花が咲いて結実していきます。

そしてその花は芽が開花したもの。

芽には花になるものと葉になるものがありますが、じつは小さな芽が出来はじめた頃って花でも葉でもなく、どっちも同じものなのです。それを植物が選択して「花を咲かすか」「葉を茂らすか」という判断をします。この選択・変化を芽の「分化(ぶんか)」といいます。

札幌近郊のブナ科植物の場合、今年2014年の5月頃に咲いた花芽は約1年前、2013年の6月頃に「花の芽になりなさい」と言われて分化したもの(花芽分化)がほとんど。新入社員が研修を経て「よし、君は明日から花の営業部だ」と辞令を受けた感じでしょうか。

その花芽分化に至るまでには更に前年2012年に花を咲かせようと思ったキッカケがあるのです。一定の周期があるという説もあります。日照条件や気温、水養分、または剪定や周辺で行った工事など、人間による環境の変化もキッカケの中にあるでしょう。

様々な条件が揃って「じゃ、再来年にドングリ祭りやるかな」とブナが思い、選ばれた新人に辞令を出したのだ、と私は思っています。

植物の種類や地域によって花芽分化の時期は違いますが、せめてお庭の植物だけでも時期を知っておくと剪定や切り戻しなどガーデニングにとても役立ちます。

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捨てるな、うまいタネ!

スイカやブドウを食べていて「種は面倒くさいな」と思う事はよくあること。植物好きの方なら「発芽するかなぁ」と考える事もよくあること。 

趣味・稼業に関わらず園芸には沢山のジャンルがありまして、その中でも一般には身近なのに見落とされがちな種蒔き。種蒔きは植生と園芸の基本ながら地味っぽいのですが、台所や食卓で得た種を発芽させるのは意外と簡単で実にダイナミックなのです。

その面白さを上手に伝えてくれる本が「捨てるな、うまいタネ」(藤田雅也著 WAVE出版)。

著者は農学博士ですが実用書のようなクドさ退屈さはあまりなく、初心者と種に配慮しつつ少しピリッとした文章は読むだけでも面白い本です。

貴方がいま口にしたイチゴ。表面にある粒々の種を発芽させ収穫する事は案外簡単だったりするのです。

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ひそかな愉しみ

ここを見ていただいている方の中で無類の公園好き、もしくはニューヨーク好きの方がいらっしゃいましたら、アナタだけにコソっとお知らせします。

店主が時々仕事をサボってはウットリ見ているサイト、ニューヨーク、セントラルパークの鳥瞰画像です。

ロシアの写真家Sergey Semenovの作品、スマホや携帯では見れない方も多いと思いますが、できればパソコンを使って、ページの真ん中辺りにあるGoogleの「TOUR MAP」の所を覗いてみてください。

ニューヨークのトンビもカラスもこういう景色を日常に見ているのでしょう。

公園のディテールをじっくり見ようと思いながらも、いつの間にか恍惚としてしまいます。

http://www.boredpanda.com/central-park-from-above-sergey-semenov/

名もなき花のように♪

どこかの誰かが「あぁ名もなき花のように~♪」なんて歌っていたのですぐラジオを消しました。

その花にはきっと名前がありますし、99%あなたの勉強不足ですね。とは決して声に出しませんが、名も知らないシンガーソングライターさんにはこれからも頑張っていただきたいと思います。

名もなきと言われたり嫌われがちな「雑草」、そして最近ガーデニング界でよく聞く「雑木」。雑に扱われていますが個々にはちゃんと名前があり、素晴らしい特徴もあります。もし本当に名前がない新種なら学者も私も飛びつきますので、その際にはまず私に大至急おしえてください。

アメリカの思想家、ラルフ・ウォルド・エマーソンという方の言葉

「雑草とは何か。雑草とはその美しさが発見されていないだけの植物である」

なるほど、雑草や雑木は世間でチヤホヤされていないだけで、実は薬草だったり香りがよかったりと、素晴らしい才能を持つ植物が存在し、日蔭にあっても地道に頑張っています。中には草野球界から突然プロ入りを果たすようなシンデレラ植物があって、例えばドクダミの変異種が園芸用の苗として売られていたりもします。当店も勇気づけられますねぇ。

しかし、明日のシンデレラを探すのはいいけれどそこには落とし穴も当然のようにありますのでご注意を。

雑に扱われてきた彼らの反骨精神は凄まじく、道端で採取した苗や種を気軽に庭に移植し、しばらく経って気付くと庭やお隣さんがその植物で覆い尽くされているという事があります。

植物の特徴は充分調べてからドラフト会議に掛けてください。

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アノニマスタジオ

当店取引先の出版レーベル「アノニマスタジオ」の丹治史彦さんという方(面識はありません)について書かれたエッセイがありますよ、とお客さまからステキな本をお借りしまして、営業の合間にジワジワと読んでいます。

高山なおみ「たべるしゃべる」情報センター出版局

料理家の高山さん、食卓でしか聞けない話を探しに色々な人の元へごはんを作りに行くお話、そしてレシピ集です。

この中で「丹治さんは【言葉の地図】がとても上手」と書かれていました。

高山さんを初めて自宅に招く丹治さんの言葉の地図、FAXかメールで送ったのでしょうか。

「コンビニの角を曲がって、新聞屋さんの砂利道を入ると、突き当りに倒れ掛かった木塀があり・・・」

普通の地図が苦手な人でも迷わず到着させる言葉の地図。

受け取る側が簡単にイメージできてキチンと伝わる言葉使いは、発する人の人間力でもあると思います。たまにブログでダラダラと書いているお粗末な私との差異までもキチンと伝わりました。

森茉莉「貧乏サヴァラン」という本を思い出しましたが、食べものの味を言葉で伝える高山さんの本、登場人物の人間味もスーッと伝わるいいエッセイです。

そんな丹治さん、そしてアノニマスタジオ。取り扱われている本も企画も会社も働く人もとても魅力的。当店取扱いの本も是非お手に取ってご覧ください。

http://www.anonima-studio.com/