ヘタウマのすすめ

使い古した感じにつくったウッドブロックです。

建築やエクステリアでよく使われる木材を使い、「エイジング」という加工をしてヘタウマ風に仕上げました。鉢の下に隙間を作る台(ポットフィート)だったり、鍋敷きだったりコースターや積木、オブジェなどなど、持つ方がそれぞれに使い古していただければと思います。そんなものをいくつか来週から開催のみどり展で並べています。

ところで「ヘタウマ」。

実は造園の世界でヘタウマの需要は結構多く、庭づくりではフェンスや物置などの木工からレンガ積みなどにもこの「ヘタウマ」を望むお客さんが増えているように思います。

しかし、オーナー側のヘタウマ要望に対して、つくり手による「ヘタ」感がなかなか表現できない「すれ違い」が多く発生しているのも事実。日本の職人が得意とする「引き渡しの際すでに庭が何十年も経過したような日本庭園の趣き」とは似ているようでちょっと違う感覚なんですが、ヘタウマリクエストとは「南フランスの田舎にありそうな、よく手入れされた農家の庭」や「イギリスのお父さんが愛情込めてつくり、メンテナンスを数年続けた感じ」というイメージだったりします。特にバックヤードやパティオなどあまりオープンにせず「部屋」として使うような庭にヘタウマを望まれる方が多く、その感覚をご存知ということは「通」なオーナーさんだったりします。

ヘタウマ技術について、たまに相談を受けることがあるものの専門的すぎてここに書くような内容ではないのですが、やっぱり大事なのは知らない庭を見る事。

プロアマ問わず、いえ素人のお父さんんが見よう見まねでつくった「ヘタヘタ」の庭だって勉強になります。もちろんプロとして大事なのは「ウマ」の部分であり、基礎も含めて確実な「ウマ」施工の上に薄っすら「ヘタ」で表面を仕上げるのがプロの仕事です。

ヘタウマリクエストをされる側にもご理解いただきたいのですが、日本の職人は安全で安定したものをキレイにつくるよう骨の髄まで叩きこまれており、「ヘタ」感を出す一歩がなかなか踏み込めないもの。ですがやはりプロであれば従来の「ウマ」な部分と「ヘタ」センスを併せ持つことができれば造園のバリエーションもまた増えるのです。

日本の造園職人の腕はピカイチだと思いますがそこに甘んじていてはいけませんなと思いつつ、みどり展に出すヘタウマ作品は若干「失敗の言い訳」が混じっていたりしますので、そこはどうか野の花を見るような優しい眼差しでご了承ください。

 

DSCN5089