根切り

札幌はカラカラに寒い日です。庭の冬支度を終えて窓の内側からニヤっとしているガーデナーのみなさま、今年もお疲れさまでした。

ところで、シーズンの苦労をともにしたガーデンツールのお手入れはもうお済みでしょうか。

ジョーロやホースは水抜きをして、ハサミやノコギリのような刃物は専用クリーナーもしくはアルコールティッシュでもいいですから、付着した植物のヤニをしっかりと落として機械油や椿油のような乾いてもベタつかない油を塗ってサビ止めします。ショベルやフォークなどの掘る道具は水とブラシで汚れを落として乾燥させたらハサミと同じ油でもいいですし、好きな色のペンキやカラースプレーで鉄部に被膜を張ってあげるのもお勧めです。

中には酷使したショベルの先端をヤスリやグラインダーで鋭利に砥いで来年に備えるという方もいらっしゃいます。かつて私もその一人だったのですが、ショベルは基本的に掘る道具であり、鋭利にすればするほど衝撃や負荷で先端が欠けたり曲がっていきますし、研げば研ぐほど土をすくうコテ面が小さくなっていきます。

この店では、焼入れして堅く作られたショベルやエンピや根切りバールなども含めて、あまり鋭利に砥がないことをお勧めしています。足や埋設線管を簡単にザックリ!ということもありそうで危ないですからね。

通常、剪定ばさみは20度程度の角度で刃先が砥がれていて(刃付け角度)、和包丁の場合は1015度程度と聞いたことがあり、刃付け角度が小さいほど切りやすいのですが、やっぱり刃先が鋭い(薄い)ほど強度が弱くなります。そこで土に挿す道具を砥ぐ場合の刃付け角度は4560度を目安に研がれるといいと思います。【添付画像はオランダSneeboer(スネーブール)社の根切り(ルートカッター)で、刃付け角度は目視ですが約45度】

ですがこういった専門の道具でも所詮は根を「切る」というより「断つ」イメージに近い物であり、切り口はザックリしています。

伐根であればそんな切り口でも構いませんが、掘り取りをするならササクレた切り口をハサミやノコギリでキレイに切りなおしする必要があります。切り口からの腐朽をできるだけ予防したり、発根を促進するためにもせめて鉛筆以上の太さがある根は粗切りした後にハサミやノコギリで切りなおしてあげましょう。トップジンMなどの癒合剤やルートン、レンテミンのような発根促進剤を使用する場合も切り口が滑らかな方がより効果的です。

root-cutter

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