憧れの庭師
当店が扱う服飾や道具は「こんなの身に着けたフローリストやガーデナーはカッコいいな」という理想を込めています。近所にも花屋さんが数店ありますがどこも皆さんオシャレ。初めての花屋さんに入る場合、品揃えやアレンジのセンスよりまずは店の雰囲気やスタッフのオシャレをチェックする人も多いようです。以前は花よりも地味な格好を意識していたフローリストも多かったようですが、オシャレで花以上に主張しても全然いいと思います。
また、ガーデニング界でも活躍する方や興味を持つ方に女性がとても増え、結果としてオシャレな人が増えただけでなく、ガーデニンググッズなどのメーカーやデザインもいい方向に変化してきていると思います。
ですが建設業としての造園、植木屋さんはどうかというと男性も女性も作業服がメイン。彼らは職人としての誇りをもち、服装には安全性や機能性を最優先しますが、実は近年のガーデニングブームによって彼らにもフローリスト同様に第一印象としてのセンスを問われる事が多くなりました。もちろん作業は安全第一。現場や会社によってのルールもありますが、職人出身の私としてはもっとオシャレを優先してもいい業種だと思っています。
事実、ある地域ではあえてオーバーオールやスニーカーなどを身に着け、適度なカジュアルさに清潔感を持つオシャレな「造園職人」が発生しはじめ、結果としてそれまで敬遠されがちだった職人志望の若者や女性が増えたり、受注件数が増加したり、職人の意識がより繊細になって足もとの草花への配慮や掃除の仕方にまでいい影響を与えているようで、ここから何か「新しくいいもの」が生まれてくる気がします。
いつか子どもたちの憧れの職業に「植木屋さん」や「庭師さん」がランクインすることを願っています。