ボロいのはどっちだ
知り合いの植木屋さんからいただいた、いえ、救ってあげたと思うハサミです。
物置の奥の隅の下から出てきたようで、もう捨てようと思ったところに「あ!」と小さな道具屋を思い出し、ありがたいことに厚かましく持ってきてくれました。
「こんなボロ、どうにもならんべ(北海道弁)」
「いや、あんたよりはマシだな」
とは言わないようにしましたが、もう使わないというので譲ってもらい、現役に蘇らせてみようと思います。
刻印などはありませんが、この形状や部品はたしか国内大手刃物メーカーの旧モデル。小ぶりで軽くて気軽に使える剪定バサミとして人気でして、やや硬めの刃は頻繁に砥がなくても比較的長く使えるハサミです。
全てが錆びて褪せて刃こぼれもしているものの、部品もそのままになんとかなりそう。
まずは分解します。日本のハサミはシンプルで分解がとても楽。とはいえ刃物なので革手袋をするなり、扱いは要注意です。
ハマグリ刃にも受けるカマ刃もネジもバネもことごとくサビています。
サビを取りましょう。
ちゃんとした剪定バサミはスコップなどの鉄鋼製品と違って特殊な刃物鋼でできています。粗めのサンドペーパーやスチールタワシなどでは余計な傷をつけてしまい、耐久面での問題がでてしまう為にサビ落とし用の研磨剤を使います。(サビ落とし用はホームセンターでも販売されていますが、家庭用クレンザーも使えます。ちなみに歯磨き粉は粒子が細かすぎてさび落としには向かない気がします)
錆びた部分に研磨剤を少量つけ、ワインのコルク栓で円を描くようにこすっていきます。ちなみに道産ワインのコルク栓がいいんじゃないでしょうか。辛口の冷えた白なんか特にいいですね。
コツはハサミをテーブルなどに押さえるように固定して、コルク栓だけを動かします。力を入れすぎたり刃を手に持って作業するのはとても危険です。貴金属を磨くように滑らかに研磨するというイメージでサビを落とします。
30分程でこの程度までサビを落としました。研磨剤や水分をよく拭き取ります。
【次回「研ぎ」。についてはまた今度】