いいジョーロとは

開発に携わったことがなければ学校や職場で教わったこともありませんが、小学生にして名誉の花壇係に任命された頃からジョーロを愛してやまない私なりのジョーロ論です。

一般的なジョーロは水を溜めるタンクと持ち手、水が通るパイプ、水の出口から構成されています。水の出口にはシャワー状の水が出るハスグチ(蓮口:蓮の花托に似たもの。欧米ではハスではなくバラの花を連想したのか「ローズ」と呼びます)が付いていて、通常はハスグチが取り外し可能になっています。

また、ジョーロの素材はプラスチックやブリキが一般的。使い古してへこんで傷だらけのブリキも味わいがあっていいですね、古いジョーロがアンティークショップに並ぶのも納得できます。当店でもブリキ製の取扱いはしていますが、ご相談を受けた場合はプラスチック製を勧める事が多いのです。もちろん厳選したポリエチレン製のジョーロだけですが。

名誉の花壇係から現在に至る間に培った「私なりに思ういいジョーロ」、長く使えて水漏れしないという当たり前のこと以外にも厳しい基準を設けております。

①タンクも持ち手もパイプもできるだけ一体化されていて継ぎ手が少ないもの

継ぎ手があるということは分離できて収納性が良いのかもしれませんが、パーツをなくしたり、使い込む内に継ぎ目から水漏れしやすいというデメリットがあります。また、必要に応じて継ぎ目がある場合は部品の強度や防水対策を確認します。

②パイプができるだけ長い物

パイプが長い、水が通るストロークが長い、ということはジョーロを傾けてからほんの少しの時間差があって水が出るということ。ストロークが短いと思いがけず水が飛び出て余計なところを濡らしやすいのです。小型のジョーロではパイプをS字にしたりと少しでも余裕を持たせるための工夫がされています。

③タンクを満タンにした際の水位が「水の出口(ハスグチ)」の高さよりも低いこと

ついつい欲張ってジョーロに満タンの水を入れてしまいがち。その時の水位よりハスグチが低い位置にあると水はダダ漏れです。

④持ち手を変えやすく両手で持ちやすいハンドル

水を入れると重いジョーロ。でも花壇の奥の方に水をあげるときはどうしても片手使いになってしまいます。右手が疲れたら左手に持ち替え、あきらめて両手で持ち、なんだかんだ利き手に戻る。そんな時こそ、どんな角度や姿勢でも持ちやすい大きなハンドルの有難みを痛感します。

⑤佇まいが良いもの

使い終わったら空っぽにして物置に仕舞う。そんなことしなくても良いジョーロはテラスやリビングにさりげなく置いて佇まいをどうぞご鑑賞ください。お友達にも自慢してください。そうやってジョーロへの愛着が益々と沸いてきます。

以上のような基準が私にはあります。他にもポリエチレン製であれば光にかざしてみて部分的に光が透けるような厚みにムラがあるものは避ける、少し弾力のあるものを選ぶといったコツもあります。

また、ジョーロを選ぶ際の大きさ(容量)について大は小を兼ねるといいますが、大きいものは水を入れるとやっぱり重く、必ずしも使い勝手がいいとはいえません。鉢植えや植物の数量に応じたものをオススメしていますが、じゃあどれくらいの水をあげればいいのか。

私なりの計算方法なんですが、いつも植木鉢をイメージしています。

植木鉢の水やりでは鉢の底から水が出るまで水を与えるのが基本といいますが、だいたい鉢容量の1/4程の水量を与えると水分が満ちて底からジワっと出るように思います。20リットルのプランターなら5リットルの水量。

こうやってジョーロの容量・蛇口からの往復数を大まかに計算しますが、庭に植えた植物の場合、そもそも大木にはジョーロで水をあげませんが、植えたばかりの木や低木、草花といった地植えの植物では「仮に植木鉢に植えていたらどんなサイズ」と考え「これなら幅60㎝、奥行60㎝、高さ60㎝の鉢だな、えっと容積は」と苦手な暗算をしつつ植木鉢の底から水が出る水量をイメージしています。

さすがに芝生の水やりではきついのですが、広い庭でもホースではなくあえてジョーロ派の方が多くいらっしゃいます。収納が楽、植物を傷つけにくい、植物との距離が縮まるなど理由はそれぞれありますが、初心者にも上級者の方にもジョーロを選ばれる際に何かの参考になれたらいいなと思います。

ジョーロ HAWS CAN

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