粘土
「庭の土が粘土質で大変」と嘆く方をこれまで嫌というほど見てきました。
理想のガーデニングや植物の生長を想いながら土壌改良に苦労されている方は日本だけではなく世界中に数えきれない程いらっしゃるのですが、その溜息と同じ数だけ「長靴がネチャネチャになってワヤ!」という愚痴があるのをご存知でしょうか。そしてそのワヤの為に「ブーツ・スクレイパー」という泥落としの道具が存在します(ブーツ・スクレイパーとは靴に付着した泥をこそぎ落とす道具。マット式や鉄板式など様々な種類があり、床や地面に置いて手を使わずに足をゴシゴシと擦り付けて泥を落とすタイプのものが多いようです)。
しかし当店で薦めているのはブーツスクレイパーではなくハンドブラシ。
ホースから水を大量に流さなくてもバケツの水とハンドブラシがあれば泥はしっかりと落とせますし、足をゴシゴシする床置き式と違って力のさじ加減が調整しやすく、ブーツを傷めにくい利点もあります。また、泥だらけの道具洗いにも使えてコンパクトというのも便利なのです。
泥落としに適したブラシは適度な毛の長さと硬さが必要で素材は「パーム」というヤシの繊維やPVC(プラスチック)がいいなと思っています。それにブーツを履いたまま洗うには柄の長さも必要です。カーウォッシュのブラシも充分使えるんですが、現在当店で扱っているのはイギリスのガーデンブラシで毛はパームとPVC(プラスチック)の2種類。
ホースの水でジャバジャバと泥を落としている方や花壇の縁やエッジングに泥をこすり付けている方、お好みのブラシを1本持っておくことをオススメします。
ちなみに・・・土壌改良は本やインターネットなどでも様々な方法が説明されていますが、私としては腐葉土に細かく砕いた炭や籾殻くん炭を1:1程度の割合で混ぜたものを粘土に漉き込むのが有効だと思っています。
土壌改良材や砂を使って粘土に通気用の隙間をつくるというより、多少時間は掛かりますがミミズや微生物が住む環境を整えていくイメージ。
炭は多孔質で通気や保水効果があると同時に微生物の住みかにもなり、微生物が増えるとミミズなど土の中で生活する虫も増えて彼らの力によって土がフカフカになっていきます。
最初は無理をせず植栽する場所だけから始めて、微生物やミミズと一緒に少しづつ範囲を広げていくのがいいと思います。
ざっくりと書きましたが、粘土質の庭でも土の入替えをせずに植物や庭に適した質に変えることができますので嘆きや愚痴はほどほどにしておいて希望とブラシを是非持っていただけたらと思います。