底なしの一輪挿し
ご来店された方はお気づきかもしれませんが、当店の花器は一輪挿しの比率が高いです。
在庫の場所を取らないという店都合もありますが、慣れ不慣れに関わらず部屋に花を置くことを気軽にチャレンジしていただきたいという思いです。ですがこの一輪挿し、小さいながらもとてつもない深さがあります。
古くアニミズムからスタートした(と思う)活け花なんですが、最初から沢山の植物をアレンジしていた訳ではなく、野のキレイな花を部屋に置きたいというちょっとした気持ちの表れのような気がします。仏教伝来による供花がもたらした華道とは違い、小さな潤いを求めた愉しみが一輪挿しになったと考えています。
手の平に乗るほどの花瓶にどんな長さの茎を持つ花を挿すか、そこに葉っぱも付けるのか、花は垂直に立てるか斜にするか、色は、花瓶の幅に対する花の直径は・・・小さな花瓶と花で様々なバリエーションが生まれます。そして挿すと見えてくるのが花瓶と花の間にある間の大切さ。
やみくもで結構ですので花でも葉っぱでも枝でも活けてみましょう。
贈り物の花がクタッとしてきたら,変色した茎の根元をその上の緑色の所まで切り戻して(水揚げ)、一輪挿しに活けてみる。風の強い日に葉っぱが付いたまま折れた枝を拾ったら、折れた箇所をハサミやナイフでキレイに切って花瓶に挿してみる。
何度か活けるうちに自己流の華道が見えてきて楽しくなりますよ。