移植ショベル(transplanting spade)

あまり見かけない形のショベルですが、これはオランダの移植用ショベルです。【SNEEBORE&Zn(スネーブール)製品】

ショベルの先端が「くの字」になっていることで根を切りやすく、移植や株分けに威力を発揮します。

土に挿して根を切って株を掘り出す、という大きな負荷や衝撃にも耐えるように作られており、とてもタフで便利なガーデニングツールです。

長く使って丸まってしまったショベルや剣先スコップの刃先を自分で「くの字」に削り、根切りや移植用ショベルにリメイクして使うガーデナーや植木職人も多いのですが、ここで気を付けたいのは(ハサミや草刈り鎌などにも当てはまりますが)、道具を削ったり研ぐ際に機械式のグラインダーを使うと、その摩擦熱によって鋼材の耐久性や強度が落ちてしまうことが多々あります。硬く鍛造された道具は、手動のシャープナーやヤスリを使って研ぐのが無難です。

同様に熱を加えるという意味で、ハサミやナイフを殺菌消毒のためにバーナーなどで炙るのも刃先へのダメージが大きく、注意が必要です(ガーデニングツールの殺菌消毒については、今後のブログで紹介しますね)。

最後に、タフなショベルや根切りを力まかせで土に突き挿すことは怪我に繋がります。本来の使い方は、土や根に当てた根切りを自分の体重、あるいは踏み込む力を使ってグーッと根を切ります。それで切れないような太い根は、面倒でも使い古した剪定ノコギリや根切り専用ノコギリを使ってカットしましょう。

【備考】ショベルとスコップという言葉を書いていますが、「雑草ノオト」でもお馴染みの園芸家、柳宗民さん(1927-2006)のお言葉を借ると「ショベルは土を深く掘り出す道具、スコップは物をすくい取る道具」と区別していて、地域によって使いわけが違う場合もありますが、当社としては柳さんの分類の仕方に準じています。

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